五労虚極はよく、食べ過ぎ、飢え過ぎ、憂鬱、暴飲、あるいは房事、疲労過度等によるものである。
労傷になると、経絡栄、衛気傷、瘀血内留になり、長くなると「乾血」に変わる、瘀血久鬱であれば熱に変わって陰血を損傷して濡養肌膚ができず、肌膚甲錯を現す。
陰血は目を養うことができなくなると、両目黯黒、無華(艶なし)を現す。
羸弱消痩、腹満食欲不振等の症は正気が回復していないためである。
だから、本方は袪瘀を主とし、扶正の薬を補助とし、瘀去新生をさせると病は治る。
しかし、五労虚極の人には猛烈に攻めてはいけないので、丸剤をし緩消緩散を図るほうがよい。
方中の大黄は逐瘀攻下、凉血清熱で、[庶虫]虫は攻下積血で共に君薬である。
桃仁、乾漆、[虫斉]螬、水蛭、虻虫は君薬を手伝って活血通絡、攻逐瘀血で、共に臣薬である。
黄芩は大黄を手伝って清瘀熱で、杏仁は桃仁を手伝って潤燥結かつ破結降気であり、活血攻下薬を配伍すると、袪瘀血を果たす。
生地黄、芍薬は養血滋陰で共に佐薬である。甘草は和中補虚で、諸薬を調和して諸破血薬の猛烈性を緩和する。
酒服をもって薬勢を助ける。
諸薬は協力して袪瘀結、清瘀熱、滋陰血、潤燥結を果たす。
本方は瘀血乾結の虚労の証を治す専用方である。
方中に破血袪瘀の薬は比較的多いが、補虚扶正は不足である。
だから、乾血は治してから他の方剤で補虚し、その虚労の証を治療すべきである。 |